ちょうど一年前、昨年の5月にドワーフのサクランボの幼木を地植えしました。
数ヶ月は元気でいたものの、でもとくに成長している様子もなく、気がつけば、もう枯れてしまったのではないかと思われるような状態になっていました。
根の確認をしようと一度掘り起こしてみると、元気そうな根はまだいくらかあったので慌てて土に埋めなおし、しばらく様子を見たら、少しだけ季節外れの新芽が出てきました。
「やった!」と思ったのもつかの間、たいして進展もせず、冬を迎えました。
4月になって、庭の木々は勢いよく芽を出し、葉が茂り、日に日に緑が増していく中、ポツンと庭の中程に立ちすくんでいる枯れたようなサクランボの幼木。
春が来ても全く変化のないその姿に、もう抜いてしまおうか、とほぼ諦めかけていたところ、5月に入ってまもなく、遅まきながら芽が動き出しました。この時の嬉しさといったら……。
そんな紆余曲折を経て、いまサクランボの幼木は葉を展開しています。
これまでうまく育たない原因をいろいろと探ってきましたが、おそらく「気温」が問題なのではと思っています。
多くの果樹やナッツ類の木などは、翌春に発芽して結実するために冬の休眠期間中、低温に一定時間さらされる必要がありますが、サクランボの木はその低温要求時間が桃やリンゴに比べて長いのです。
低温の基準とされている温度は45°F(7°C)で、わたしの住む地域では、12月から2月にかけて最低気温が45°F以下を達成する日は多いものの、一日のうちでその低温レベルに該当するのはほんの数時間のこと。サクランボの木が必要とするトータルで1000時間程の低温時間にほほど遠いような気がしています。
この低温時間について調べていたら、こんな記述もありました。
「70°F (21°C)を超える気温が4時間以上続くと、過去24~36時間に起こった寒さが相殺される」
そうであれば、冬も温暖な南カリフォルニアでは、相殺されまくりです。
植物を育てていてしみじみ思いますが、植物は温度にものすごく敏感な生き物です。